続巷説百物語

続巷説百物語 (角川文庫)

続巷説百物語 (角川文庫)

読み終わりました、『続巷説百物語』。
巷説百物語』を読んだのは随分前で、そちらの方は、まあ面白かったなぁ、程度の感想だったので、『続〜』が出た時もそのうち買おうと思いつつなんとなく忘れてて、文庫が出たきっかけで思い出して購入しました。
そんな感じだったんで、面白いだろうとは思っていましたが、それほど期待はしてなかったんですが──なんだ、むちゃくちゃ面白いじゃないのよぅ!
そうなんですよ、『巷説〜』の時は、なんとなくキャラクターを把握しきれないまま読んでたんですけど、ここにきてそれぞれの過去が描かれれいく中でしっかりキャラが固まってきて、それに加え個々の話しが伏線、伏線、そして全てが一つに終結する……っていった感じの私の大好きなパターンのお話で、今回はホントにサクサクッと読めてしまいました。
そして『巷説〜』からは想像もしなかった哀しいラスト……。あれ? こんな話しだったんだ?!
続きが気になるので、『後巷説〜』を早速明日買いに行きます。


でもね、多分私がこんなにこのお話が気に入ってしまったのは、百介と又市達の関係の描かれ方のせいだと思うんです。
光と影、みたいな。
又市がしきにり百介を、又市たちの世界に近付かせまいと一線を引くじゃないですか。百介もそれに気付いてて、でも離れることは出来なくて、という感じの。アッシュと英二*1とか、火村とアリス*2のような。
そういうのって色々妄想を掻き立てられないですか、色々、色々、色々、色々、色々……(笑)。
このお話しが、こういった描かれかたをしてなかったら、多分私はここまで「いや〜ん」な状態(←どういう状態?/笑)にならなかったと思います。うん。

*1:吉田秋生著『BANANAFISH』の登場人物。私の泣きのツボ(笑)。

*2:有栖川有栖著『作家有栖のシリーズ』の登場人物。アリスなんて名前だけど男です。