今日読んだ本

容疑者Xの献身

読み終わりました。


犯人視点からのお話。だから、追い詰められていく焦燥感が読み進めていく原動力となりました。犯人なんて、（通常であるなら）話の最後には捕まっちゃうって分かってるから、感情移入しすぎてしまう私としては、読み進めていくのはツライけれども。
特に石神は、衝動的に罪を犯してしまったお隣の母娘をただ助けたいばかりって云うんだから、赦されることではないけれども、助けてあげたい気がしないでもない。
そういう切ないジレンマがガシガシとページを繰らせていきます。
トリックに関してはなるほど、って感じで大きな驚きはなかったのですが、いや、それよりもなんでそこまでやっちゃったかなぁ、石神！　って感想の方が強かった。
とにかく切ないんですよ、石神さんが。


ただ、これを「純愛」呼ばわりするのはどうかと。
なんか愛の方向性違っちゃってますよー。
数学の中ばかりにしか美しさを見つけることが出来なかった石神が、お隣の母娘に美しさを見出すことが出来た。でも、その出会いは石神の世界をキレイさっぱり変えちゃうほどの出会いではなかったのでしょうか？
靖子さんなぁ、なんかやたら人に流されがちな感じだし。石神さんの人生まるまんま捧げちゃうような人かな……って気がしないでもないけど。
もうちょっとこう、どうにかしてくれたら、私の読んだ感想も、「なんてことしちゃったのかなぁ、石神！　お前ってばバカだよぅ」的なものから少し解放されるとは思うんですけど。


ま、でも、なんだかんだ云っちゃったけど普通にオモシロかったです。