格闘する者に○

格闘する者に○ (新潮文庫)

格闘する者に○ (新潮文庫)

読み終わりました。
実は読む前は、ココまでトントン拍子に読んでしまえるとは思っていませんでした。
サラリと流し読みした時は、主人公の少女漫画が大好きな出版社への就職を目指す女子大生可南子は、町の人皆が注目するような大豪邸に住んでいて、お父さんは国会議員で、母親は義母で、恋人は70代の書道家で、話しの分かる友人は美人とゲイで、そんな人たちがひしめいて事件が勃発する……という、なんだか漫画みたいな設定で、どうなのかなぁ、面白いのかなぁ、なんてあんまり気乗りしない感じでした。
しかし、三浦しをんさんの描かれる文章って、なんだかリズムがいいんですよ。流れるように読めてしまうんです。
そして、こんなとんでもなくへんてこな人たちなのに、読んでると結構リアルに感じてしまうから不思議。下手すると薄っぺらになってもおかしくないような設定なのに、全然そんなことないんです。あ、でも、女性陣はとってもリアルなのに、男性陣になるとちょっと現実味が薄れる気がします。いや、いい意味で、ですけど。可南子の弟君もニキ君も、恋人の西園寺さんも可南子のお父さんも、そしてお友達の忍さんたちも、ちょっと現実離れしててとっても素敵です。
さて、次は各方面で評価の高い「私が語りはじめた彼は」を読んでみます。っていうか、読んでますので、また近々感想書きます。