メゾン・ド・ヒミコ



やっと見てきました、「メゾン・ド・ヒミコ」。
映画を見に行く前に、あまりよくない、というような感想を読んでしまったので、期待したほどよくないのかなぁ、と少しだけ猜疑心を持って出かけたのですが、いえいえ、全然よかったですよー。


まず映画のセットと衣装が素敵だった。
柴崎コウの刺繍のエプロン、大きな襟のブラウス、オダギリジョーの白いシャツ、そして卑弥呼さんの海の見える部屋、その部屋の壁に描かれた絵だとか、やたら細々したところがカワイくて、あのホテル実在するホテルなんでしょうか? 素敵だよなー、スゴク。


映画の内容は、現実的に考えると辛いし、哀しいし、救いようのない話なんだけど、やさしい光、やさしい風景、やさしい人々で全体的に温かく仕上がってて、見た後にホントにやさしい気持ちになれました。
私はやっぱり切ないハッピーエンドが好きなので、現実を考えると、まだまだ問題は山積みなんだろうけどさ、なんとかどうにか始めて行こうって感じのあの終わり方は好きだと思いました。
世界の真ん中で生きてますっ! って感じじゃなくて、世界の隅っこで小さく笑ったり、泣いたりしながら生きている人たちの話が好き。


それにしても、そもそもは大島弓子さんの「つるばらつるばら」をやろうと思ってたんですって!
映画を見た後で読んだパンフに、そう書いてあるのを発見した時、「わー、そうだ! そうだ!」って思った。分かる、なんか、とっても。
それで生まれ変わったら、って話もしきりにしてたんだな。


まあ、そういうわけで、色々とよかったんですけどね、なんていうか、今回はあのオダギリジョーを見れただけでもよかった、っていうか(笑)。
ハマリ役だったの? あの人こんなに格好よかったっけ??? って思っちゃったよ。
ゆったりとした白いシャツとか、「おいおい王子様じゃん!」とか思ったり、細川専務を誘ってるシーンとか、なんでかこっちまでドキドキしちゃった。
行っちゃえよ、、細川! って心の中でゴーサイン。つーか、私だったらあの場で行ってたね!(──いやいや、落ち着け自分!!)
映画見終わった時、DVD出たら買うかなぁ……なんて、真剣に思ったし──ってヤバ、いつの間にか変態チックな感想に成り下がってた!


軌道修正。
えーっと、そんなわけで、リアリティをひたすらに追求したい方には向きませんが、不器用な温かさややさしさに触れてみたい方は是非ご覧あれ、といった感じです。<<参考>>

つるばらつるばら (白泉社文庫)

つるばらつるばら (白泉社文庫)